ETFと投資信託、コスト面でどっちが有利か?
ずっと、ETFの方が有利と思っていましたが、そうとは限らないことが発覚しました。

投資歴は10年。元製造業の設計。投資で資産を着実に殖やしてきました。プロやマニアのような大儲けはできませんが、一般人にふさわしい堅実な投資を心がけています。
本記事では、
- ETF、投資信託のコスト比較
- 投資信託の方が有利な場合
を解説します。
ETF、投資信託の違いとは?
ネット上にいっぱい情報があるので、軽ーくおさらい
- ETF:トヨタやソフトバンクグループなどの株と同じように売買できるもの。
- 投資信託:投資信託会社にお金を預けて、ファンドマネージャーに運用してもらうもの。
要は、自分で売買するか、投資信託会社を経由するかの違いです。結局、最終的には同じ商品(株や債券など)に投資するのだけど、この仕組みの違いによって手数料(コスト)が変わってくるんですね。
ETF、投資信託のコスト比較
ETF、投資信託のコスト比較
かかるコストは3つ
- 購入手数料・・・購入時にかかる手数料
- 運営費用(経費、信託報酬)・・・毎年かかる手数料
- その他手数料・・・ファンドの監査などにかかる費用
これらを比較します。
例として、TOPIXに連動する商品を取り上げます。
- ETF:1475 iシェアーズ・コア TOPIX ETF
- 投資信託:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
どちらも手数料最安の商品です。
比較結果はこちら
ETF(iシェアーズ) | 投資信託(eMAXIS) | |
購入手数料 | なし ※ | なし |
運営費用 | 0.06% | 0.15% |
その他手数料 | なし | 約0.1% ※※ |
合計 | 0.06% | 0.25% |
※1日100万円以下なら無料となる場合が多いので”なし”としました。※※状況によって変わるため、明示されないのですが、だいたい0.1%程度となることが多いようです。
一目瞭然、ETFの方が安いですね。
これは、ほぼ全ての商品に言えることで、ETFの方が手数料が安いんです。
僕はこれを信じていたのですが、ここには盲点がありました。
その答えは・・・
投資信託の方がコスト安になる理由
配当金です。
ばらつきはありますが、TOPIXに投資すると、2%程度の配当金がもらえます。そして、この配当金には税金20.315%がかかります。
配当金の扱いが、ETFと投資信託では違うんですね。
- ETF:配当金が株主に支払われる(税金がかかる)
- 投資信託:ファンドに支払われ、再投資される(税金がかからない)
こうなります。
つまり、実際にかかる税金コストは、
配当金2%×税率20.315=0.406%
です。
これを手数料に上乗せすると、
ETF(iシェアーズ) | 投資信託(eMAXIS) | |
購入手数料 | なし ※ | なし |
運営費用 | 0.06% | 0.15% |
その他手数料 | なし | 約0.1% ※※ |
配当金の税金 | 0.406% | なし |
合計 | 0.412% | 0.25% |
こうなり、コストが逆転しました。投資信託の方が有利になりました。
次に、実際の価格を比べてみます。理論だけで終わらないよ!
実際の株価・評価額を比較
2018年1月~2021年1月のチャートはこちら。


うーん、差がわからないですね。数字で見てみましょう。
ETF(iシェアーズ) | 投資信託(eMAXIS) | |
2018/1/24 | 1,920 | 12,498 |
2021/1/22 | 1,902 | 13,049 |
上昇率 | -0.94% | 4.41% |
5.36%の差が出ています。
ETFでは分配金(6回合計86円)が出ていますので、それを足すと、
ETF(iシェアーズ) | 投資信託(eMAXIS) | |
2018/1/24 | 1,753 | 12,498 |
2021/1/22 | 1,902 | 13,049 |
2021/1/22に分配金追加 | 1,988 | – |
上昇率 | 3.54% | 4.41% |
3年で1.03%の差が出ました。意外と大きい。
ちなみに、分配金を再投資したらもう少し差は縮まります。
以上より分かったことは、
分配金の税金20.315%を節約できるのはデカイ!
投資信託の方が有利な場合
- 投資信託の信託報酬が小さい
- 配当金が多い
こんな時は投資信託の方が有利なことがある、ということです。具体的にはインデックス型です。
日本や米国の指数に連動する投資信託は確実に安いですね。大体、信託報酬が0.1%以下、配当2%ですから。
国内REITはより有利です。信託報酬0.2%程度、配当金3.8%です。
新興国株(MSCIエマージング連動)は、信託報酬0.2%程度、配当2%弱ですから、これもよし。
投資信託が不利な場合
不利というか、投資できないパターンが結構あります。
例えば、将来有望な、インド、フィリピン、ベトナム、インドネシア、オーストラリアなどのインデックス投資ができません。
インデックスじゃなければありますけど、信託報酬が2%近くあり、手がでません。
まとめ
- インデックス投資なら、投資信託の方がコスト的に有利
- 理由は、配当金をユーザーに支払わず再投資するため、税率20.315%がかからないため
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!