マイホームを購入する、子どもが大学に入学する、老後資金のために取り崩したい、これまでに積立投資してきた資産を一気に取り崩すのは危険です。そのデメリットと、売りルール3箇条を解説します。

投資歴は10年。元製造業の設計。投資で資産を着実に殖やしてきました。プロやマニアのような大儲けはできませんが、一般人にふさわしい堅実な投資を心がけています。
積立買いの情報はたくさんあるけど、運用と売りの情報は意外と少ない。そのため、本記事が参考になれば幸いです。
積み立て買いと、売りの違い
売るときは一気に売れる、というのが大きな違いですね。買うときは、毎月のお給料から少しずつ買っていきますよね。
一度に必要量売るのは楽ですけど、急に大きな金額を動かしますから、リスクが伴います。
売った直後に急上昇するかも?売る前に暴落かも?
まず、一度に売ることのデメリットを挙げ、その対策を考えます。
一度に売ることのデメリットと対策
2つあります。
- リスク分散できない
- プレミアムがついてしまう
- 配当金権利確定前に売ってしまう
リスク分散できない
これは、先に述べた通りで、売った直後に急上昇と売る前の暴落を気にしています。タイミングを完璧に図るなんて、できる人はいません。誰もわかりません。だから、数回に分けて売るんです。
積み立てるとき、毎月少しずつ買うのは、リスク分散の意味もありますよね?売るときも同じです。
では、どのくらいの期間を空けて売るのか?
個人的には2か月は欲しいです。逆に長すぎると、その期間、現金比率が増えるのは不利なので、長すぎない方が良いです。
参考になるのが、企業の自社株買いです。企業が株を動かすときはものすごく大きい金額になります。だから、慎重に買っていくんですね。だいたい2か月くらいかけてちょこちょこ買っていくイメージなので、それを参考に2か月といいました。
高く売れない
出来高が十分にない場合、指値注文しても全部売れません。成行注文したら、安く買われてしまいますね。出来高と金額によっては、複数回に分けて売るしかありません。そのため、資金が必要になる時期から余裕を持った方がいいですね。
配当金権利確定前に売ってしまう
ちょっと変わった話になりますけど、配当金の権利確定直前に全部売ったらもったいないですよね。そうならないために、権利落ち日を確認しといたほうがいいですね。ただし、配当金が1%程度なら気にするより、売るタイミングを図った方が、利益が大きいかもしれません。
積立資金の売りルール『3箇条』
以上をまとめると、積立資金の売りルールは3つにまとめられます。
- 2か月程の間に数回に分けて売る(リスク分散、高く売れないことの対策)
- 長くしすぎない(現金比率が多くなることの対策)
- 分配金の時期(分配金を逃すことの対策)
売る直前に大暴落が来たらどうする?
もし、売る直前にコロナショック、リーマンショックのような暴落が来たらどうするか?予想できないことなので、難しいですよねー。
2020年2月コロナショックの時の日経平均の様子を見てみます。

底値まで真っ逆さま、最終的に-35%でした。しかし、3か月ほどで完璧ではないですが、戻ってきました。3か月程度待てるのであれば、売るのを待てばよかったわけですね。
次に、2008年9月リーマンショックの方を見てみます

こちらは-40%、しかも回復までに4年もかかっています。これはさすがに待てませんよね。2010年にだいぶ戻しましたけど、-12%ですし、2年もかかります。
こうなってしまったら、もうあきらめるしかないです。-40%で売るのはないですから、少しでも長く持つか、積み立て資金以外のところで資金を工面するかです。
そのため、対策は起こる前にすることです。
こんな時は有事の”金”です。
安全資産としての金(ゴールド)
これまで株価を見てきましたが、ここで金(ゴールド)を見てみます。
まずは、コロナショックです。

株価が急落し始めたのは2月中頃ですが、金は急上昇しました。その後、急落するも、2か月程度で回復しています。
次に、リーマンショックです。

こちらも似た動きをしていますね。リーマンブラザーズの破綻直後に急上昇。その後、急落するものの2か月程度で以前の価格に戻しています。
このことから、大きな金融危機が起こった時、金の強さがわかります。
そのため、株価大暴落の対策の1つは、金などの株価と連動しない資産を持つことです。割合としては、全投資資産の5~10%は金であっていいと思っています。もっと多くてもいいかもしれません。2021年2月現在、将来はかなり有望ですから。
(参考:[金]投資を親戚に勧めたい。価格上昇の材料はそろった。)
まとめ
積立資産の売りルール3つ
- 2か月程の間に数回に分けて売る(リスク分散、高く売れないことの対策)
- 長くしすぎない(現金比率が多くなることの対策)
- 分配金の時期(分配金を逃すことの対策)
売る直前の大暴落に備えるためにも、金をポートフォリオに加える
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!